通訳の利用で苦労した経験談

タイでビジネスをしていると、外部の通訳を利用する機会が多いと思います。あるいは社内で通訳を雇っている企業も多いのではないでしょうか。今回は通訳で苦労した経験談を紹介します。

タイに進出して1年ぐらいのとき、客先の工場で作業する日本人技術者のために外部の通訳を利用する機会がありました。既に1回利用した通訳者で、特に問題はないということで、再度依頼しました。何故かその日は早起きで5時には起きていました。私の携帯が突然鳴り、SMSをみると通訳からで「家族が具合悪いから今日は行けません。すいません。」と書いてありました。

今から他の通訳を手配しようにも、通訳の会社は開いていないし、開いてからでは間に合いません。仕方なく自分が通訳に行くことにしました。急遽、今日の予定は全て変更です。客先に行くチームの車両はすでに出発しているので、他の車を手配しなければなりません。何とか車の目途をつけ、ヘルメット、保護メガネ、安全靴、作業着を準備し、現場に急行です。

次に紹介するのは、新卒で社員として採用した社内通訳です。社内通訳第1号でした。客先工場の作業現場で日本人技術者とタイ人顧客との通訳をしていたのですが、ある日工場内で製品を運ぶ自動運転の台車の車輪に足の甲をひかれケガをしました。すぐに病院に行き、自宅静養してもらいました。幸いケガも大事には至りませんでした。

数日後、足が治り出勤できると連絡が来たので、前日に社内の運転手に渡しておいた資料を客先の工場まで持っていってもらうようにお願いしました。本人も了承し、社用車に乗り工場に向かっていたのですが、車の移動中に私と電話で話をしたときに、何を勘違いしたのか、工場で通訳もしないといけないと思ったらしく、足が腫れてまだ安全靴を履けないと言い出しました。私は資料の受け渡しだけで、安全靴を履く必要はなく、工場での通訳もしなくて良いと伝えたつもりだったのですが、伝え方がまずかったのか何故かゴネ出しました。最終的には納得してくれたと思っていたのですが、しばらくすると、運転手から連絡があり、「通訳は車を降りて帰りました。」と。私は「・・・」としばらく固まってしまいました。そして、その通訳はそのまま会社を去りました。

他にも、別のタイ人通訳者が社内のタイ人従業員同士のグループラインで、現地代表と私を批判しているという情報を入手したこともあります。そのタイ人通訳者は、現地代表者の営業の手伝いをしていました。取引先の日本人とやり取りをした際に対応の仕方について先方からクレームがつき、そのことについて現地代表者が注意したことがあります。それ以来、根に持っており、陰で文句を言うようになりました。この社員には数か月後に辞めてもらいました。

他社で聞いた事例としては、「高給を出している通訳が二日酔いで出社してくるなど勤務態度が悪い」とか、「社長が通訳をひいきし過ぎとタイスタッフから不満が出ている」など、通訳に関する話は尽きません。

このようにビジネスをしていると、色々トラブルが起きますが、通訳や従業員について悩みがあれば、ぜひミトラパープにご相談下さい。一緒に解決策を探すお手伝いをします。

投稿者: Somchai

ミトラパープは主に中小企業の皆様を対象にタイでの経営全般(労務、採用、会計など)に関するコンサルティング、タイ語翻訳・通訳などを行っています。