今日はタイのコロナウィルス感染状況について書いてみたいと思います。
2020年7月31日時点での感染者数はタイが約3,300人で、日本が約34,000人です。3月23日時点での感染者数はタイが約700人で、日本が約1,000人でした。3月23日時点では約300人の差だったのが、この4か月でほぼ10倍の開きが出ました。
現時点においてタイ国内での感染の広がりは、完全に抑え込まれています。国内在住者の新規感染者数はゼロで、タイでの新規感染者は海外からの帰国者のみとなっています。また、海外からの帰国者は政府によって2週間隔離されているため、国内で気が付かないうちに感染が広がるということはない状況です。
タイ国内では7月1日~10月31日の間に「เราเที่ยวด้วยกัน(ラオ・ティアオ・ドゥアイ・カン(一緒に旅行に行こう)」という政府主導のキャンペーンが展開されています。実質的に感染者がゼロで国民が安心して旅行できるタイがうらやましいです。
タイでも爆発的に感染者が増えるリスクがありました。3月13日には、ムエタイ会場(3月6日に試合実施)での集団感染が発覚し、100人を超える規模となりました。この後、タイ政府は矢継ぎ早の対策を打ち出します。3月17日にタイの旧正月(4月13日~15日)の延期、3月21日に商業施設の閉鎖、3月26日に非常事態宣言の発表、4月2日に夜間外出禁止令の発令、4月3日に国際線旅客機の乗り入れ禁止と次々と対策を進めます。
日本とは違い罰則付きの法律があることや、国の体制が異なることもありますが、抑え込みに成功したのは、政府の実行力と情報発信力の差だと思っています。
タイ政府のホームページにアクセスすると、コロナウィルス関連の情報に簡単にアクセスすることができます。「ศูนย์บริหารสถานการณ์ โควิด-19 (ศบค.)(コロナウィルス状況管理センター)」という組織が設立されており、感染拡大期には、土日祝日も含め、毎日記者会見を行っていました。ちなみに記者会見はタイ時間の11時30分開始です。
記者会見を行うのは、コロナウィルス状況管理センターの報道官で医者でもあります。感染の状況をグラフや数字、分析結果などでわかりやすく説明している上、感染者の発症経緯についても詳しく紹介しています。国内だけではなく、海外の感染状況も説明します。そして、記者会見の冒頭では毎回マスクを忘れずに着用するように促しています。また、動画を見てもらうとわかりますが、一番初めの冒頭は国民みんなでこの危機を乗り越えようという主旨の歌が流れます。タイらしいなと思います。
日本のコロナウィルス関連の政府ホームページ(厚生労働省、内閣府)にもアクセスしましたが、残念ながら、発表回数が少ない上に、文章メインの記者会見資料が多いです。
タイ政府のホームページでは記者会見の動画やその時に使われた資料を見ることができるように公開されています。タイ語と英語(後半に少しだけです。ないときもあります。)の会見があるので、興味のある人は下記のURLにアクセスしてみて下さい。
次回、時間のあるときに発表内容の一部をタイ語から日本語に翻訳してみようと思います。