タイで支払わなければならない地方税の中に看板税(ภาษีป้าย パーシー・パーイ)というものがあるのをご存じでしょうか。日本では馴染みのない税金です。これは事業運営や収益目的のために利用される名称、商標、記号を掲示した建物外側の看板や広告に対して課されます。例えば、自社工場の前に自社名の入った看板を掲げているときは対象となります。
毎年3月に申告書を提出して、納税の通知が届いてから15日以内に納税しなければなりません。税率は看板や広告の面積と記載されている言語によって計算されます。特に注意が必要なのは、使用される言語によって大きく税率が異なることです。
看板税率
- タイ語のみで動く文字や入れ替わる文字が用いられている看板の場合、500平方センチメートル当たり10バーツ
- タイ語のみの上記以外の他の看板の場合、500平方センチメートル当たり5バーツ
- タイ語と外国語の混合で動く文字や入れ替わる文字が用いられている看板の場合、500平方センチメートル当たり52バーツ
- タイ語と外国語の混合で上記以外の他の看板の場合、500平方センチメートル当たり26バーツ
- タイ語がない、あるいは外国語の下にタイ語の記載があるもので、その内容が動いたり、入れ替わったりする看板の場合、500平方センチメートル当たり52バーツ
- 5.以外の看板の場合、500平方センチメートル当たり50バーツ
(看板税率を定める省令 2020年より引用:タイ語の省令はこちら)
一般的な日系企業の看板であれば、電光掲示版のように文字が動いたり、入れ替わったりしないはずなので、2. 4. 6.が該当するかと思います。タイ語のみだと5バーツ、タイ語と日本語の混合だと26バーツ、日本語のみか日本語の下にタイ語を併記だと50バーツとかなり異なる税率となっています。
ここで注目していただきたいのは、タイ語を日本語の下に記載すると、倍近くなるということです。日系企業の場合、日本人のお客様も来るため、タイ語だけという選択肢は少ないでしょう。そのため、現実的には4.か6.を選択することになります。4.について、タイ語の原文では文字の位置を明確に記載していないのですが、5.と6.について、タイ語の原文で「タイ語が一部でも外国語の下に位置するもの」と記載があります。そのため、毎年支払う看板税を少しでも削減したい場合は、タイ語を全て日本語の上に記載する必要があります。 今回はタイの地方税を取り上げてみました。タイのビジネス運営で困ったことがあれば、ぜひミトラパープにご相談下さい。こちらをクリックいただくと、お問い合わせページにリンクします。